美容コラム

繰り返す化粧かぶれの原因は?症状が出た時の対処法も紹介

 

肌に良いと言われている化粧品を買ったのに、肌が荒れてしまった……という経験はありませんか?

それは、化粧かぶれかもしれません。

これまでわたしのサロンでも、化粧かぶれのお悩みの方の施術をたくさん行ってきました。

美容の知識や実際の施術経験をもとに、化粧かぶれの原因や対処法について美容家の視点から紹介します。

 

化粧かぶれの主な症状

化粧かぶれの主な症状には次のようなものがあります。

  • かゆみ
  • 赤み
  • ほてり
  • 発疹(ぶつぶつ)
  • 腫れ

かぶれやすい場所は、皮膚が薄くなっている頬や目の周りなど。

むくんだみたいに腫れあがったり、腫れにより目が重たい、顔が動きにくい場合は、だいぶひどい化粧かぶれです。できるだけ早めに皮膚科で診てもらうことをおすすめします。

 

化粧かぶれの原因は?

化粧かぶれの原因は、ほとんどが化粧品の成分によるアレルギー反応。

大きく分けると3つの原因があります。

  • 肌に刺激が強い成分
  • 天然の成分
  • 商品の製法によるもの

 

肌に刺激が強い成分

化粧品には、人によってはアレルギーを起こしやすい成分が使用されているものがあります。

有名なのは、防腐剤として使われるパラベンでしょうか。

今は化粧品に使われる全成分を表示する義務があるため、化粧品パッケージに記載された成分を見るだけでは、どれがアレルギーを起こしやすい成分なのかが分かりづらくなっています。

そこで、参考にしたいのが旧表示指定成分。

全成分表示が義務化づけされる前に、表示が義務化されていた「使う人によってはごく稀にアレルギー等の皮膚トラブルを起こす可能性のある成分」が、旧表示指定成分です。

化粧かぶれを繰り返し起こしている人は、できるだけアレルギーを起こす可能性がある成分を使用していない化粧品を選べると、安心です。

全部で102種類ある旧表示指定成分は、日本オーガニックコスメ協会のこちらのページから確認できます。

ただし、旧表示指定成分でなく、ほかの多くの人が大丈夫な成分でも、自分だけ化粧かぶれを起こす場合もあります。

自分の体が、どの成分に反応するかは使用してみないとわからないため、初めて使用する化粧品は、試供品やトラベルパックなどで試せるとベストです。

アレルギーが気になる人は、皮膚科等でアレルギー検査を受けられるところもあります。

その原因は、成分による肌への刺激。

肌への刺激の原因となる代表的なものは、合成界面活性剤や、香料などの科学的に合成された成分です。

 

天然の成分

花粉症が、スギやヒノキなど天然の物質へのアレルギー反応であるように、天然の成分に反応する場合があります。

たとえば、カモミール。日本人はキク科のアレルギーを持つ人が多いので、アレルギーのある人はカモミールが成分のオーガニックコスメを使用すると、肌が荒れる可能性があります。

こんな風に成分そのものは、肌に強い刺激を与えるものでなくても、化粧かぶれを起こす場合があります。

 

商品の製法によるもの

どんなに肌に優しいと言われている天然の成分でも、化粧かぶれを起こすケースがあります。

その原因としてあまり知られていないのが、成分の分子の大きさ。

天然の成分は、商品の製法によっては、分子が大きいまま使用されていることがあります。

肌にいい成分でも分子が大きすぎると、身体にとっては「異物が侵入してきた!」と反応して、肌荒れが起きてしまいます。

 

 

オーガニックコスメは
化粧かぶれしづらいの?

オーガニックコスメは、肌に優しく化粧かぶれしづらい印象があるかもしれません。

でも、オーガニックコスメでかぶれる人もいます。

考えられる原因は「天然の成分へのアレルギー反応」と「成分の分子が大きい」こと。

天然の成分は、分子のサイズが大きいものが多く、肌が成分に反応しやすい場合があります。

また、分子サイズが大きいと、汗腺や皮脂腺などに成分が詰まって、ポツポツ湿疹が出る人もいます。とくに代謝が弱い人に起こりがちです。

 

化粧かぶれしやすい人の
傾向は?

アレルギー成分を使用していない化粧品を使った場合でも、化粧かぶれする人としない人がいるのはなぜだと思いますか?

もともとの肌の状態に原因があります。

皮膚のバリア機能が落ちている肌は、化粧かぶれを起こしやすいです。

たとえば、乾燥肌、皮膚のこすりすぎで薄くなっている人。

また、洗顔の時に熱いお湯を使っている人は、皮膚を守ってくれる皮脂膜がどんどんはがれてしまうため、化粧かぶれしやすい肌になってしまいます。

 

化粧かぶれのサイン

化粧品をつけたあと、肌がチリチリする感じが1分以上続いたら、肌に合わないサインです。

「栄養成分が強いと、肌がチリチリする場合がある」と言われることもありますが、チリチリが長く続くようなら、その反応は栄養成分の影響ではないこともよくあります。

栄養成分が肌に浸透している反応なのか、肌に合わない反応なのかを見極められず、化粧かぶれを起こしている化粧品を使い続けると、肌が慢性的に反応しやすくなってしまいます。

これが、一番避けたいこと。

一度化粧かぶれになると、肌の防御力が高まり、どんな成分に対してもファイティング状態になります。このような状態になると、身体に優しいはずの成分でさえ、「異質成分が入ってきた!」と認識され、肌荒れしてしまうからです。

 

 

化粧かぶれの対処法

化粧かぶれが起きてしまったときにおすすめの対処法があります。

それは、冷水パックです。

化粧かぶれを起こしたな、と思ったら、すぐに以下の手順でパックをしてください。

 

手順1 ガーゼやコットン、ローションパックなどに、塩素が入っていない水(精製水や軟質のミネラルウォーター、浄水器の水等)をひたひたに浸して冷蔵庫で冷やします。

パックは何度も交換するため、数枚用意しておきます。

手順2 冷やしたガーゼやコットンを、症状が出ている場所にのせてパックします。

手順3 パックしたものが乾燥する前に、新しいものに交換します。常に、肌を冷やして、ぴちゃぴちゃにしていくことがポイントです。

 

この手順で20分ほどパックをすると、かぶれの原因となっている成分を浸透圧で肌の外に出すことができて、荒れた肌が落ちついてきます。

また、化粧かぶれで赤みやほてりがでた当日は、飲酒、入浴、サウナ等、体温があがることは避けてください。

 

皮膚科を受診したほうがいいとき

みみずばれみたいにあきらかに膨れ上がったり、顔全体がむくんでいる、肌がひどく赤みを帯びている場合は、症状がヒドイため、水パックで応急手当をしたあとに、皮膚科を受診したほうが安心です。

 

化粧かぶれにワセリンは?

「化粧かぶれにワセリンがいい」という情報もありますが、化粧かぶれの肌にワセリンがおすすめ! とは言い難いです。でも、良い点もあります。

ワセリンを塗ってもいい時は、皮脂膜ができないほどに肌が弱っていて、バリア機能が落ちているとき。

ワセリンは鉱物油で、ホホバオイルなどの天然のオイルと違い、皮膚に残って膜を作ってくれます。薄ーくワセリンを塗ることで、皮膚にバリアの膜を作ることができるので、乾燥や外的な刺激から肌を守ってくれます。

ただし、ワセリンは皮膚にずっと残ってしまいます。排気ガス等の空気中の汚れがワセリンに付着してしまうため、外出から帰宅したらきっちりクレンジングして、ワセリンを落とすことが必要です。

 

化粧かぶれ
どのくらいで治る?

症状の程度にもよりますが、表面的な症状は3~4日で治まることが多いです。

ここで注意したいのが、見た目は大丈夫になっても、肌の下では異物に対する防御力が高まっている状態が3か月ほど続いていること。

防御力が高い状態の肌は、あらゆる成分に反応しやすくなっています。一度化粧かぶれをおこしたら、化粧かぶれをおこした化粧品だけでなく、肌への刺激は避けたほうが安心です。

化粧かぶれ後の3か月の間に、ふたたび肌荒れが起きると、化粧かぶれを繰り返す肌になってしまうことも……。なので、この期間は特に肌への刺激に気をつけてください。

 

【3か月間に避けたいこと】

  • 熱いお湯での洗顔。洗顔は38度程度のぬるま湯に
  • 肌をこする
  • 日焼け
    ※肌に優しい日焼け止めを使う。もしくは日焼け止めを塗らない紫外線対策をする
  • 汗をかいたままの状態
    汗をかいたら、すぐにサッと拭きます。

 

また、この期間、睡眠不足や食事の乱れなど不摂生な生活を続けてしまうと、皮膚の修復がうまくいかず、ファイティング状態が治まりづらくなります。

化粧かぶれを何度も繰り返していて、長期間にわたり肌がファイティング状態にある人は、皮膚が完全に回復するまでに2~3年かかる場合も。

 

 

化粧かぶれしない肌を
作るには

化粧かぶれしないためには、皮膚のコンディションを良くすること。

肌を守る保護膜を自分で作れる肌になると、化粧かぶれしづらくなります。

もう何度も化粧かぶれを繰り返している人は、とにかく肌に刺激を与えないようにして、肌のファイティング状態を落ち着けることが先決。

肌が「異物だ!」と反応しないような、刺激成分が入っていない化粧品に変えるのがおすすめです。

ミュシスのセレクトショップでは、アトピー性皮膚炎で肌が真っ赤、皮膚が剝けている人でも使えるGMT-COジェル(ビオシャント―ル)をおすすめしています。

 

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